着物について熱く語ります


by kimono-syokunin

帯の仕立て~裏返す~


帯のかいきり線を出すか入れるか、を決めます。

昔はかいきり線を出す仕立てが多かったみたいですが
最近は入れる仕立てがほとんどです。


決まったらその位置で直角になるように
まっすぐにコテで折り目を付けます。
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私の場合、かいきり線を1分中に隠すようにしました。
この作業を両端に行います。
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いよいよ、帯をひっくり返します。

※帯の刺繍があまりに多い帯や、螺鈿のような折れたら駄目な柄がある場合は
 『引きこみ』という別のやり方で芯を入れます。
 その場合には帯はひっくり返しません。

ひっくり返しやすいように半分に軽く折り曲げます。
でも決して手で押さえつけたりしません。
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帯は一旦型が付いてしまうと取れにくいので
ひっくり返す作業は丁寧かつ素早く行います。

折り畳まなくていいように、なるべく長い作業台が良いでしょう。

中の刺繍がひっかかりやすいので、指皮も外して
慎重に引っ張り出していきます。
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全てひっくり返した状態です。

このようにモジャモジャと刺繍糸がむき出しの状態なので
ひっかけない様に注意が必要です。
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つづく。
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# by kimono-syokunin | 2009-06-17 12:53 | 袋帯(ふくろおび)

まずは、仕立てる前に帯を検針器にかけておきます。

螺鈿(らでん)のような柄があると検針器にかかってしまうので。。

仕上がり後では針が入って鳴っているのか柄が鳴っているのか
どちらか分からなくなる場合があるのです。

・・・どちらにしても針の数をしっかり数えておけば問題ないですけどね。


そして帯芯はスチームアイロンで地のししておきます。

さて。

そうしたら、帯の幅を端から端まで測ります。

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なんといっても帯は長いですから。
場所によって幅が違う場合があります。

一番狭い場所の寸法を見つけましょう。
その幅から1分少ない幅で、帯芯に線を引きます。

※透ける帯は一番広い幅を見つけ、ピッタリの幅で作ります。

幅ピッタリで芯を切ってしまうと、出来上がったときにゴロつきの原因になります。
1分ひかえる といっても片方で5厘(りん)ずつなので、出来上がったらほぼ寸法通りです。

☆ポイント☆

 帯芯を切り取る部分が真ん中になるように、両端が同じ幅で余るようにします 
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両端に線が引けたら、切っていきます。

文鎮を置いて手前を引っ張りながら切ると、スーッと気持ちよく切れます。
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帯芯はとっても丈夫なので、荷物を縛る紐に使ったり
何かと便利なので再利用するといいでしょう♪
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つづく。
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# by kimono-syokunin | 2009-06-12 11:44 | 袋帯(ふくろおび)

粋に着こなす。

和裁技能士とはいうものの、
着る事に関しては全くのド素人。

いや、そんな事では駄目なので日々勉強中なのですが・・・。


着物は、柄(がら)によって着る季節が決まっている。

そう聞くと、その花が咲く季節に着ればいいんだ~
と思うけどそれは野暮。

着物の柄は先取りで、その季節の花が満開になるまでに着て
花とかぶらないようにするのが粋。


例えば紫陽花(アジサイ)なら5月下旬~梅雨前まで、梅なら1~2月くらいまで
といった具合に。


本物には勝てない・・という説もあるそうですが。


・・・とはいえ、箪笥にある着物には限りがあり
  これまた着る機会も少ない。

ので、小物などで季節物を取り入れるとか季節感のない柄を選んで買うとか・・・
財政事情が芳しくないなりに日々努力しています。。



今の時期なら梅や山茶花(さざんか)あたりが着るといい感じ。


でも、一年中着れる柄なんかもあったりして
着物を知れば知るほど遠ざかる・・・

そんな今日この頃です(笑)
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# by kimono-syokunin | 2008-02-01 23:29 | 着物ぷち知識

吊りあい。

伯母さんから預かった留袖(とめそで)。

「着たら比翼(ひよく)が出てきて困るのよ。」

との事。
嫌な予感がしつつも、ひとまず着物を預かって吊ってみた。

b0104744_3164195.jpgb0104744_317362.jpgふむ。。

言われた通り、比翼が飛び出ている。

・・・比翼、自己主張しすぎだよw



普通、比翼は仕立てあがった状態で
着物よりも3分~5分ほどひかわるようにくけつけてある。

比翼が出てくるという事は、それだけ着物が
つまっている(縮んでいる)という事。

で。

それだけ表地がつまっていると、気になるのが着物の吊り合い。

袷(あわせ)の着物の場合、二枚の布が合わさった状態になっている。
だから、両方の丈(たけ)がぴったり同じでないと袋が入る。

・・・吊ってみると、嫌な予感は的中。

案の定、比翼をめくると裏に袋が入っていた。

b0104744_321659.jpg驚くなかれ。

裏がだぼついている分
表地が縮んでいるっていう事。

4分(約1㌢強)くらいかな。


・・・・そして、前回の記事の状態比翼をポロッと取る羽目に。

吊り合いを直した後で、縫い直した比翼を付け直します。

着物は生き物。
買った状態そのままを維持するのは至難の業。

たまには箪笥を開けて着物を広げてやって下さいませ。
手遅れにならないうちに・・・。

ちなみにこの留袖。
伯母さんが飛び出たのをどうやって着ていたかと言いますと
着付けしてくれる方が比翼を糸でつまんでくれたそうです(応急処置で)。

その場にある物で綺麗に着付けてくれる、プロですねぇ。
・・・でもビックリしただろな~。。
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# by kimono-syokunin | 2008-01-26 03:27 | 留袖(とめそで)

比翼。

久しぶりにこっちのブログを書こうと思ったら
帯の続き画像を消去してしまっていたので(泣)
コチラは時間のある時にまた書く事にします。。


※留袖(とめそで)に必ず付いている、比翼(ひよく)。
色留袖と比翼、なんてのもありますよね。

昔は比翼も1枚の着物の形で仕立てられていたのですが
最近では重い&着付けにくいという理由(?)からか、部分比翼が一般的です。


袖(そで)は今でも着物の袖と同じ物を作って付ける場合もありますが
大抵は袖口(そでぐち)と振り(ふり)の部分比翼。

そして裾(すそ)と衿(えり)がくっついているモノ。

b0104744_155586.jpgちゃんと裾ふき や 衿もあって、
着物と同じ形に仕立てます。

これを、着物の裾から3分(1㌢くらい)ほど
短くなるように、着物にくけつけます
運針(うんしん)したら表に縫い目が出ちゃいますから。


要するに、着物を着た時にもう一枚余分に着ているように見せかけるわけです。
十二単の名残りという説もあるみたいですよ。

・・・なので、留袖を着るとズッシリ重たいです。

ナゼ比翼がこのように取れた状態になったかは、
次の記事にて。


※留袖・・・既婚女性の第一礼装。
       黒色、5つ紋 (背×1・袖×2・抱き×2)
       裾に柄(がら)がある
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# by kimono-syokunin | 2008-01-15 01:57 | 留袖(とめそで)

?着物にアイロン、スチームって使って大丈夫なのかしら?

との質問をいただいたので、お答えします。

アイロンのスチームですが、ナイロンの着物ならあて布をして
ナイロン温度以内であればOKです☆

ただ、正絹(しょうけん)のお着物となると話は別で・・・。

私たち和裁士も、仕立てた後にアイロンかけをします。
あて布をして、その上から霧吹きで霧を吹いた状態でのアイロンかけです。
なので、スチームかけたのと同じような状態です。

ですが、それで仕上げをする際には文鎮(ぶんちん)で着物の端を押さえた状態で
表地と裏地の縮み具合を考えながら、片方だけをひっぱったり、
両方の布地を文鎮と手で張りながらアイロンかけしたり・・・。
かなり高度な技が必要になってきます。

実際、お客様が自らスチームアイロンをかけられた着物が
直しにきた事がありますが、アイロンかけをした部分だけが
ギューっと縮んだ状態で、目も当てられぬ状態になってました…( Д|||)

この時は袖だったので、縫いを全て解いて※地直しし直してからの
縫い直しになりました(^^;)

スチームなしの、あて布をしてのアイロンかけも
布によっては縮むものもあるので注意が必要です。
ひどいシワは、霧吹かないとあとで浮き出てくるし。

大島(おおしま)や紬(つむぎ)はほとんど縮む事はありませんが、
裏地が縮む布地だったら裏地だけが縮んで、袋が入る可能性も・・・。

とにかくあまりにひどい、スチームかけなきゃ直らないようなしわは
専門家に相談するのがベストだと思います☆★☆☆


この他にも着物の仕立てに関する質問は、お気軽にどうぞ。
私の答えれる範囲内でお答えします☆^^

※地のし・・・布の地の目(じのめ)を整え、まっすぐに直すこと。
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# by kimono-syokunin | 2006-12-28 18:15 | 着物ぷち知識
仕立てに必要な物。

袋帯(ふくろおび)。
そして、帯芯(おびしん)。

帯芯には、絹芯(きぬしん)と綿芯(めんしん)がある。
絹芯の方が綿芯に比べて柔らかい。

しかし綿芯にも色んな硬さ、厚みのあるもの、薄いもの
色々な種類がある。

そして、帯が透けるような布地やスワトウのように中が見える帯の場合は
カラーの帯芯を使う。

黒・白はもちろんの事、ゴールドやシルバーまである。

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←綿芯。






帯芯の硬さは、帯の硬さやその人の好みによって決める。

しっかりとした方が帯が結びやすい人は、硬めの芯。
柔らかい方が結びやすい人は、柔らかい芯。
・・・といった具合だ。

名古屋帯は大抵柔らかい布が多いので、ほとんど綿芯を使う。

こんな感じで、自分に合う帯芯が決まったら
いよいよ仕立てに入る。
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# by kimono-syokunin | 2006-09-21 00:30 | 袋帯(ふくろおび)
袋帯(ふくろおび)に仕立てがあるの?

と思われるだろう。

大抵、呉服屋さんなどで売っている状態の物は未仕立て。
(中には仕立て済みの物もあるが)

b0104744_035252.jpg←こんな状態。

パッと見は、綺麗。

だが、※1かいきり線の位置も決まっておらず
中に※2帯芯(おびしん)も入っていない。


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←めくると中が丸見え。

カパカパ開いてしまう。


※1かいきり線
b0104744_0124627.jpg

←帯の両端にある線の事。





※2帯芯
帯の中に入れる芯の事。
綿芯と絹芯がある。

袋帯の仕立てとは要するに、“中に帯芯を入れて両端を閉じる”という作業なのだ。
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# by kimono-syokunin | 2006-09-20 00:14 | 袋帯(ふくろおび)

くけ台&かけはり

b0104744_015582.jpgくけ台。

着物を縫うときは、下の板を座布団の下に入れて
自分の体重で固定する。

先のオレンジの布は、針山。
中に綿を入れて、縫い針を刺せるようになっている。


b0104744_018851.jpg
かけはり。

くけ台に取り付けたかけはり。
先が洗濯ばさみのように布を挟めるようになっている。

これで布を挟んで固定して、引っ張りながら縫う。

※これとは別に、「男仕立て」というやり方がある。

男仕立ては、くけ台もかけはりも使わない。
その代わりに、胡坐をかいて、足の指で布を挟むやり方。

くけ台もかけはりも使わずに高校までやっていたのに、
今ではどうやって縫っていたのかがさっぱりわからない。

指皮も。
何に使うのかすら分かってなかった・・・。

今では、全ての道具が必需品。
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# by kimono-syokunin | 2006-09-15 00:25 | 和裁道具

アイロン


b0104744_2243127.jpg

温度調節の機能がない為、
プラグの抜き差しで温度調節をする。                                                 
                                                          
完全に冷めた状態から温めようと思ったら10分くらいかかる。                     
                                   

      ↓b0104744_22454196.jpg

そこでついうっかり抜くのを忘れようものなら・・・

アイロンは熱くて持てないほど熱くなる。

多分、これを頻繁に繰り返すと壊れる。


      ↓b0104744_2246023.jpg
余分な加熱で熱くなったアイロン。

真っ赤になっているので、

「アイロンがカンカンになってる」

と、学校にいた時は皆言っていた。
怒っている時のように真っ赤だから。


温度調節機能が付いてないのに、どうやって温度を確かめるのか?

汚いと思われるかもしれないが、指を舐める。
アイロンに直接触れて、蒸発する音で温度が高いか低いかを確かめるのだ。

パチッ 
ジュワッ

とか。

大事な着物を焦がさないよう、
かすかな音を聞き分けながら温度を確認する。

ちょっとした事の積み重ねが、職人への道。
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# by kimono-syokunin | 2006-09-12 23:06 | 和裁道具